明日にかける橋
「何で、そんなに急ぐんだい?」
ポワンとひとつ、パイプの煙を吐き出しながら、おじいさんが言いました。
「そのうち、君を必要とする人にめぐり会うチャンスがやってくる。何かやりたいことだって、これから見つかるかもしれないよ。こんなに早く、自分のすべてがわかってしまうより、少しずつ、知らない自分を発見していく方が、素敵なことだと思わない?」
(みんな、同じことを言うのね・・・。)
心の中でそうつぶやくと、彼女は深いため息をつきました。
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