ダメな彼女でごめんなさい

壱成が書き込んだ愚痴と仲間の慰めの言葉に、結衣の心が傷付けられていくのがわかった。壱成や周りの人からは、結衣はダメな彼女だと思われている。それが嫌だと思い、頑張ってみるがロボットのようにいつでも完璧にはいられない。

「どうしたら壱成くんと普通のカップルみたいになれるの？私がダメな彼女だから？完璧じゃないから？」

友達や同僚のカップルのように、仲良く話したりデートをしたりしたい。壱成とは顔を合わせるたびに壱成が機嫌を悪くし、デートもキスもその際のことも、同棲を始めた頃から全くしていない。

悲しみがぐるぐると心を回る中、結衣は洗濯物を畳み始める。洗濯物を畳んでいる間も、ピコンピコンと壱成のSNSが更新されていく。更新内容は結衣の愚痴だろう。悔しくて、結衣は唇を噛み締める。

孤独な部屋の中、結衣に寄り添ってくれる人はいない。その時、結衣のスマホに電話がかかってくる。電話をかけてくれた人物の名前を見て、結衣の心が一瞬にして温かくなっていく。