ダメな彼女でごめんなさい
付き合った頃は幸せだったと思う。付き合い始めた頃は楽しくデートをして、たまにお泊まり会をする普通のカップルだった。でも、次第に壱成は冷たくなっていったのだ。

「壱成くん!今度のデート、ディズニー行かない?テレビで紹介されてて行きたくなっちゃって」

結衣がそう提案すると、壱成は「は?」と不機嫌そうな顔を見せる。そして、「人混み無理だし」と言い放つのだ。

「私、何かしちゃった?」

結衣は戸惑うが、不機嫌な理由を壱成が教えてくれることはなかった。でも、彼の機嫌が悪いとデートを断られたり、八つ当たりをされることが増えて行く。そして、サークルや同じ学部の女子と彼女である結衣がある前でイチャつくような態度を取るようになったのだ。

別れた方がいい、相談すると周りから言われて結衣は何度も別れ話を持ちかけた。しかし、そのたびに壱成から「改心する!」と言われてズルズルと関係を続け、社会人になって同棲することになってしまう。そして、同棲した初日に「女は完璧に家事をしなきゃいけない。家事できない女は女じゃない」と言われたのだ。

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