明暗フェイス
「ど〜も〜
笑いの栄養満点しらすでございます〜」




純ちゃんとキモキングは今日も駅前で漫才をしている。




それを無表情でぼんやりと眺める私。




亜紀が死んでから私は毎日しらすの漫才を見に来ていた。




亜紀が死んで初めて知った。




しらすがバイトの合間に少しでも時間を見つけて漫才をやっていることを。




それだけ夢に向かって本気だったということを。




しかし毎回客は多くても数人で、冷やかしで観ている人間がほとんどだ。
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