明暗フェイス
「面白くね〜んだよ、バーカ」




突然怒鳴り声が聞こえた。



怒鳴り声の先に目をやると、50過ぎとみられるスーツ姿の疲れた顔をしたおじさんが立っていた。




しらすを見て苛立つおじさん。




夢に向かって一生懸命な若者と、仕事に疲れきったおじさん。




両者を引き合わせて生まれるのは、反発でしかない。



おじさんはしらすに近づき側に置いてあったスピーカーを蹴った。




スピーカーが倒れた衝撃で、辺りに耳障りな音が響いた。




その瞬間、私の中で何かが弾けた。
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