明暗フェイス
心にぽっかりと空いた空虚感を埋めるようにただひたすら歩いていた。




2月の空は夕方だというのに薄暗く、孤独を一層深くする。




どんなに前に足を進めても、変わらない現実におしつぶされそうになりながら、早足になる。




無意識に普段歩いていた道を選んだ結果、駅にたどり着いていた。




ドロップアウトしたはずの世界にまだ未練があるようで、そんな自分に益々うんざりした。
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