明暗フェイス
「学生時代は楽しかったですよね〜」




純ちゃんが遠い青春を懐かしむように話す。




「・・そうか?」





キモキングが純ちゃんの楽しげなのりを砕くような低い声で応える。




「いや、一番楽しかったやろ?
でも俺ちょっと心残りがあってさ
学園ドラマみたいな恋愛してみたかったな〜と後悔してるわけよ。
放課後屋上に好きな子呼び出して、
お前のことが好きだ〜〜
みたいなな〜」




純ちゃんが照れ笑いを浮かべながらキモキングの肩を叩く。




「うっざ」




その手をまるで汚いものように払いのけ、ゴミをみるような目で純ちゃんを見つめるキモキング。
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