【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「そうだね。店長さん、この子借りていいかな」
「はい、今休憩時間なので大丈夫ですよ」
「ありがとう、じゃあ行こうか」
千賀さんは、店長と話をつけると私の手を引っ張り店から出た。お店の近くにある公園に行くとベンチに座る。
「小妻さん、まずは忘れないうちに連絡先交換しようか」
「はい」
千賀さんはスマホを操作するとメッセージアプリを開きQRコードを出した。私はそれを読み取り、彼の連絡先を保存する。
「何かスタンプ送ってみて」
「はいっ」
千賀さんのトークページを開き、無難な【よろしくお願いします】のスタンプを送る。するとすぐに既読になった。