【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。


「そうだね。店長さん、この子借りていいかな」

「はい、今休憩時間なので大丈夫ですよ」

「ありがとう、じゃあ行こうか」


 千賀さんは、店長と話をつけると私の手を引っ張り店から出た。お店の近くにある公園に行くとベンチに座る。


「小妻さん、まずは忘れないうちに連絡先交換しようか」

「はい」


 千賀さんはスマホを操作するとメッセージアプリを開きQRコードを出した。私はそれを読み取り、彼の連絡先を保存する。


「何かスタンプ送ってみて」

「はいっ」


 千賀さんのトークページを開き、無難な【よろしくお願いします】のスタンプを送る。するとすぐに既読になった。


< 12 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop