【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
千賀さんのお弟子さんなんだ……人懐っこくて、可愛らしい人だったな。千賀さんが良い人だし、きっと良い人だ寄ってくるんだろうな。
「霧島のこと……どう思ってる?」
「え……そうですね、良い人だなと思いました」
「小妻さんはああいうタイプが好き、なのかい?」
タイプって、異性のタイプってこと……かな。
「……私は、タイプとかないです。私、暫くは誰とも恋愛する気はないですし……勘違いだったらすみません。でももし、千賀さんがそういう関係になりたいと思っていらっしゃるんでしたらもう、会えません」
ああ……こんなの自意識過剰だ。千賀さんみたいな素敵な人が私なんかに恋愛感情を持つなんてありえないのに。