【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。


「意味がわからない……タカってほんと、突拍子もないことするよな」

「俺は真面目だ。おばあ様も許可もらってあるし」

「は? あの、堅物なおばあ様?」

「そうだよ、助けてもらったことを伝えて想い人だって言ったらちゃんと捕まえてこいって」


 おばあ様とは、俺の祖母で花山院流の大女将だ。

 花山院流派の直系の家系の娘であり、旧華族の娘との結婚を勧めていたんだが……

 おばあ様の息子であり、俺の父が『これからは恋愛結婚の時代だ!』と言ったから俺が誰を選ぼうが大丈夫なのだ。


「へー……良かったな」

「ああ。だからなんとしてでも結婚する、相手は絶対に彼女しかいない」

「そうか、まあ頑張れ……早く帰れよ。片付けできないから」


俺は立ち上がり、海斗にお礼を言う。彼女が置いていったお金を自分の財布を大事にしまうと電子マネーで会計をして帰った。



 
 
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