【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
◇求婚
「……小妻さん大丈夫? 元気ないね?」
あの食事から数日、私は気分が沈んでいた。なんであんなこと言っちゃったんだろうー……
偉そうにあんなこと言ってしまったし、もう本当に会えないかも。いや、自分が会えないって言ったのに……はあ、何やってんだか。
暫くは華道展も行かない方がいいよね……ああ癒しだったのになあ。
「ほんと、大丈夫? 顔色悪いよ」
「いや大丈夫です」
ただ、寝不足なだけです。
数日間、寝れてない。後悔するなら、なんであんなこと言ったんだって話なんだけど……。
「そう? ならいいけど……あ、いらっしゃいませ〜」
私は店長が接客している間、バケツの水換えをしたり花の葉などの手入れをして時間が過ぎる。
それからいつも通りお昼ご飯を食べてから、午後の仕事に戻る。