【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「ほんと? ごめんね。じゃあ先に上がるね」
「はーい、タピオカも二つ持って行ってください。旦那さんと一緒に」
「え、いいの? 小妻さんは?」
「私はまたあれば買いますし、店長のお金ですしね」
そう言うと「ありがと!」と言って帰っていった。それからあまりお客さんは来なくてあっという間に閉店時間になった。
出していた花たちの水かえをしたりラッピングの材料を整理整頓し、レジ締めをし終える。扉のとこにかけてあった【オープン】を【クローズ】に変えて鍵を閉めて帰ろうとした時突然ノックする音が聞こえた。
「どなたですか……?」
「千賀です。小妻さんいらっしゃいますか。」
私は鍵をしたばかりのドアを開けると、そこには千賀さんが立っていた。
「こんばんわ」