【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「こんなのしかできなくてすみません」
「いえ、とても美味しそうです」
二人で向き合って手を合わせると、食べはじめた。それからは黙々と食べる。
「とても美味しいかったです!」
「……ありがとうございます」
食べ終えると、私は二人分の食器を流しに置いてすぐに洗い終わる。
「あの、ビール飲みます? 缶ビール買ったばかりなんです」
「は、はい。いただきます」
私は冷蔵庫から缶ビールを出すと、千賀さんに渡した。
「それでお話ってなんですか?」
「はい、僕と結婚して下さい!」
…………へ? 結婚?