【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「小妻さんは、恋愛するつもりないと言っていたので……小妻さんが僕は――」
その瞬間私のスマホが鳴った。
スマホ画面には【母】と表示されている。
「ちょっとすみません……もしもし?」
私は立ち上がると、電話にでる。
「花陽? 久しぶりね、元気だった?」
「うん、元気だよ。でどうしたの?」
「花陽にお見合い話が出てるの」
は!?
「お母さん、お見合いなんて私しないわよ」
「そんなっ」
「でももうあれから三年過ぎたのよ。もうそろそろいいんじゃない?」
「だから、私は……っ」
「じゃ、考えといて」
母がそう言うと、電話が切れた。お見合いなんてしないよ。