【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
◇結婚初夜は初めてだらけ。
「あの……ありがとうございました」
「花陽ちゃん、おかえり」
引っ越しの夜はもちろん結婚初夜、お風呂はとても立派で気持ちよかったけど……
これからのことを考えたら、ドキドキで外の景色を眺めるなんて出来なかった。
「ここ座って?」
「は、はいっ」
貴敬さんが座っているソファの端に座る。
「もっとこっち来て」
「は、はいっ」
「ははっ、さっきから『はい』ばっかりだね。緊張してる?」
そりゃぁ、緊張してますよ……だってこんな豪華な空間に異性と二人っきり。
しかも、肘がぶつかりそうだし。
「本当可愛い。じゃあ、僕もお風呂入ってくるよ。待ってて」
「うんっ」