【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
◆妻は天使で可愛すぎる。 貴敬side
目が覚めると、外が明るくなってきたのを感じる。横で寝息をたてて眠る愛しい彼女は初めて会った日から片想いをし、やっと自分のものになった。
「……でも、いきなりやるとか本当馬鹿」
シャワーでも浴びようかな、と思い起き上がると手を掴まれる。
「――行かないで」
寝言だが、そんなふうに言った彼女が可愛い。もう、本当に天使……! 天使が降臨したかのようだ。
だがもし、それに答えたらまた襲ってしまいそうになるからここは離れよう。一旦、離れないと理性が保てない。
まあ、理性が保てなくなった結果が昨日なわけだが……彼女の頭を撫で、俺は一度服を着てから寝室から出ると浴室に入った。
簡単にシャワーを浴びてリビングに戻れば、時刻はもうすぐ八時を過ぎていた。
「朝ごはんでも作ろうかな」
俺はキッチンに立つとボールの中に卵を二つ割り入れて、牛乳二百と砂糖を1杯加えて泡立て器で混ぜ合わせる。
そこに食パンを用意し、二つに切ると半分の位置らへんで切り込みを入れてスライスチーズを挟む。それを二人分作り、さっき作った卵液に浸すと冷蔵庫に入れて十分待つ。
その間に、寝室に行き花陽ちゃんの様子を見に行くとまだスヤスヤと眠っていて……やっぱり昨日やり過ぎたのかもと反省した。
もう少し、眠らせてあげよう……今日は休みだし。
リビングに戻ると、冷蔵庫から漬けておいたのを確認し取り出すと一緒にソーセージと野菜室に入っているレタスを取り出した。
フライパンをIHコンロにおくと中火で温めてバターを溶かす。そこに卵液に漬けたパンをこんがり焼き目が焼いていく。
すると寝室からのドアが開き服を着た彼女がリビングに入ってきた。