【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
◇憧れの人と、塞がったキズ
「ふふっ突然ごめんなさいね……」
朝食を食べ終えて片付けをしていたときインターフォンが鳴った。モニターに映っていたのは、私の憧れであり貴敬さんのお祖母様の千賀かえで様と貴敬さんより年下っぽい男性だった。
私たちはゆっくりと休日を過ごそうと話していたのでまだラフなパジャマのような格好だった。なので急いで洋服に着替えた。
「えっと、私貴敬の祖母でこっちが貴敬の弟の亜貴よ。かよさんよね? よろしくね」
「はい。花に太陽の陽で花陽と言いますこちらこそよろしくお願いいたします!」
目の前に憧れのかえで様がいる……綺麗だし、七十代とは思えない美しさ。
「ばあちゃんも急に来るなよー」
「それは、貴敬のお嫁さんに会いにきたのよ」
「まあ、花陽が嬉しそうだしいいんだけど」
貴敬さんが呼び捨てで呼んだからかドキっと胸が高鳴った。