【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
その後夕方になると、亜貴くんは友人と会うとかで最寄り駅、かえでさんは東京駅へと貴敬さんは送りに一緒に出て行った。
三人が出ていくとすぐに部屋の中は静かになって一気に寂しさで包まれる。私はやることなくてかえでさんにいただいた紅茶を淹れて一人でいただく。
「いい香り〜」
香りを楽しみながら飲んでいると、かえでさんの言葉を思い出した。
『貴敬と花陽さん仲が良くて良かったわ〜』
『はい、貴敬さんが優しくしてくださるので……』
『本当はね私は、反対だったの。貴敬と元許婚の里美さんお似合いだったから……でも、今はあなたたちの子ども楽しみだわ。貴敬は次期当主だから子どもは男の子がいいわね』