【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「私の運命の相手は貴敬さんだったんです。だから――」
そこから先は言葉にすることはできなかった。だって、私は貴敬さんによって口を塞がれていたから。
「……っん……」
触れ合うだけのキスを繰り返され、声がもれた瞬間に突然貴敬さんの舌が唇をこじ開けて口内に侵入してきた。
彼の舌が口内を這い息が上手くできなくなっていると舌を絡められた。息が苦しいはずなのに心地よさと快感が交互にしていき銀の糸を引きながら唇から離れる。
「たか、としさ……っ」
「……俺、もう我慢できないわ。花陽ちゃん、抱いていい?」
初夜の時とは気持ちが違う……あの時は雰囲気に流されただけだった。
「はい。貴敬さん……私を、抱いてください」
そう返事すれば再び唇が重なって抱き上げられた。
横抱きにされて向かったのは寝室で、ベッドに座らされる。
「もう脱がしてもいいよね?」
貴敬さんは、私の着ているパジャマを一気に脱がせてブラジャーと下着のみが残した状態で押し倒された。
「……んんっ……ぁ」
「……愛してるよ、花陽」
私はたっぷりと貴敬さんによって甘やかされ、朝まで溺れるように抱かれた。朝、起きると腰が重く声も枯れていて夜のことや言葉を思い出し体が熱くなるのを感じて一人恥ずかしくてたまらなかった。