【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「ねぇ、貴敬さん」
「どうしたの、花陽ちゃん」
「冬にもう一人増えますよ」
「……え」
双子を授かった時と同じ表情を見せて固まってしまった。
「昨日わかったんです。いうタイミング探してました。ふふ」
冬に写真を撮るときには一人増えるかと思うと幸せが増えていくような感じする。
「……ありがと、花陽ちゃん。」
「また宝物が増えますね」
「そうだね。だけど、二人とお腹の子には悪いけど一番の宝物は花陽ちゃんだけだよ」
そう甘い言葉を耳元で囁かれて……まるで付き合ったばかりの恋人かと思えるくらいにドキドキが止まらない。
私はきっと、この人に一生……恋をしてるんだろうなって思う。
――完――