【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
「ありがとうございました!」
「いえ、お役に立てて良かったです」
スタッフの方にそう伝え終わると、私はその華道パフォーマンスをするステージに向かった。
初めて見るパフォーマンスに私は圧巻された。とても素敵で、綺麗で……美しかった。
パフォーマンスで飾られた華をもう一度見て帰ろうと会場から出て駅の方へ歩いて行くと「小妻さんっ!」と誰かに呼ばれ、私がキョロキョロしていると、先程花を渡したスタッフさんが走ってくる。
「……はぁ、はぁ……すみませんっ」
「……大丈夫ですか?」
「はいっ、大丈夫です! 俺、霧島といいますっ! これ今日のお礼です……あと、こちらは若旦那からです」
その子は何かが入っているレジ袋を差し出した。