溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
社長室に戻ると七海が俺のプレジデントデスクの脇に置かれた観葉植物の手入れをしていた。

「お帰りなさいませ…社長」

ドアの開け閉めで、俺が戻って来たことに気づき、立ち上がって軽く会釈して迎える。

「七海…」

俺は思わず目の前の七海を抱き締めてしまった。

父に別れろと言われ、彼女に対する想いが心の奥からこみ上げて来た。

「社長…何があったんですか?」

七海はキョトンした顔で俺を見る。

彼女の冷静な態度に俺も少しだけ落ち着きを戻した。

彼女を腕の中から解放して、距離を作る。

「ウィーンから…裕美が帰って来る…」

七海も俺の許婚の名前に反応して、目を大きくした。

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