溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
「凄い…サプライズだな…七海さん」

「何だ?お前…知ってたのか?奏弥」

「・・・だって…俺が診察したんだもん…」

「…夫の俺に言うのが先だろ?七海」

「二人が入って来たぞ…」


私達三人が口を噤んで、舞台を目を向ける。

東雲さんと裕美さんがタキシードと白いドレス姿に身を包み、観客席に向かって静かに頭を下げた。

その姿は花婿と花嫁のよう。

「じゃ挙式も急がないとな…」

今度は加那斗さんが私の耳許で嬉しいサプライズ。

「加那斗さん・・・」

「さっきのお返しだ…七海」

二人の息の合ったピアノとオーケストラたちが奏でるシューベルトの世界に私達は魅了された。
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