溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
「・・・私は遊びと割り切っていたの…私の結婚相手は貴方よ。加那斗」

「・・・俺はお前を結婚するつもりはない…」

裕美さんは私の淹れたコーヒーを一口飲んだ。
すると私に向かってカップのコーヒーをぶっかけて来た。

「何するんだ!!?裕美」

私の手に熱いコーヒーがかかった。

「私・・・猫舌なのよ…こんな熱いコーヒーは飲めないわ…秘書さん」

「だからって…おい!?笹倉…大丈夫か?」

「大丈夫です…」

絨毯にもコーヒーが零れ、私は慌てて布巾を取りに給湯室に戻った。

手の甲がヒリヒリと痛む。

私は手の甲の痛みを堪え、布巾を持って応接ソファに戻った。

戻ると加那斗さんがティッシュペーパーで濡れたテーブルと絨毯を拭いていた。

「社長!?」

「此処は俺がやるから…君は直ぐに医務室に行って、火傷の処置をして貰え…」

「でも・・・」

「いいから・・・」

加那斗さんは私に強く言って、医務室に行かせた。


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