溺愛ウエディング～最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない～

「何だよ…その質問は…」

「答えてよ…加那斗」

裕美さんは言葉尻を濁す加那斗さんを急かす。

「・・・分からない…」
「それじゃ答えになってないわよ…加那斗」

「…くだらない・・・ふん」
と加那斗さんは答えようとせず、裕美さんにそっぽを向いた。

「お金が貰えると言うだけで…見ず知らずのオトコに足を開くのよ…私は汚らわしいと思うわ…」

「…彼女たちだって必死に生きる為にやっているんだ…何の苦労もしたコトが無いお嬢様がとやかく言うコトじゃない」

「貴方だって御曹司でしょ？」

「・・・もうすぐホテルだ…」

湾岸線の出口を出た車は巨大な白亜の建物へと近づいていく。

加那斗さんの言う通りもうすぐ『ドラゴンホテル・東京ベイ』に到着する。