溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
「加那斗は知らないと思うけど…」

「裕美さん!?言わないで下さい…」

私は私の過去をバラそうとする裕美さんを口止めした。

「七海!?」

加那斗さんの瞳が不思議そうに私を見ていた。

「この女…元風俗嬢よ…歌舞伎町の店で箱ヘルしていたのよ…」

「えっ!?」

加那斗さんは驚き過ぎて、言葉を失ってしまった。

「加那斗は騙されてるのよ…眼鏡掛けて、地味にしてるけど…本当の姿は誰にでもカラダを売るふしだらな女…それが…貴方よね…笹倉さん」


「それは・・・」

私はトレーを持ったまま給湯室に引っ込んだ。


まともに彼の顔が見れない。
彼にも私の姿を見て欲しくなかった。

きっと彼だって私を汚物でも見るような目で見るんだ。

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