溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
私がコーヒーを作り終え、給湯室から出て来ると丁度加那斗さんと秘書課室長の皇(スメラギ)さんが入って来た。

「おはようございます。社長」

「おはよう…笹倉さん」

社内では、私と彼の関係は秘密裡。
互いに素知らぬ顔をして、社長と秘書を演じていた。

「では、社長…私はこれで」

「あぁ~皇さん…ありがとう」

彼のお迎えに行くのは、皇さんの役目。

長年、「エルネ」の幹部秘書を務め、相良家の信頼も厚かった。

皇さんは私に後は任せ、退室した。

加那斗さんはデスクの上の書類と郵便物の封を開け、目を通していた。

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