溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
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先ほどまでいた加那斗さん。
彼は裕美さんの元に行ってしまった。

彼に抱かれた余韻が残るカラダをベットに預け、静かに彼の帰りを待つ。

静かな夜だった。

初めて彼に抱かれ時の夜を思い出す。
社長室の彼はクールな人だった。

「七海」と初めて名前を呼ばれた時感じた甘やかな響き。

その響きが今も鼓膜にずっと残っている。

ベットの上での彼はとても優しく、今まで肌を交わした男性とは全く違った。
情欲を見せながらも、その中にある私に対する愛情。

その彼の惜しみない愛に溺れてしまっている。

もう、潮時かもしれない。
彼のそばには居られない。
私の方から手を離さないと彼は全てを失ってしまう。

『エルネ』を退職して、彼と裕美さんには逢わない何処か遠くに引っ越して…



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