溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
禁断の果実
遮光カーテンの隙間に射し込む陽の光で朝だと気づいた。
私は反芻しながら、眠ってしまった。

隣には裕美さんの元に行ったはずの加那斗さんが私の顔を見ていた。

「加那斗さん・・・」
彼は口角を上げて優しく微笑み、私の髪を撫でて熱い眼差しを注ぐ。
「もう少し寝てても良かったのに…」
「いつ帰って来たんですか?」

「・・・そうだな二時間前かな…でも、眠れなくて…ずっと君の可愛い寝顔を見ていた」
「えっ?あ・・・私…どんな顔して寝てました?」

「俺の名前を呼びながら…魘されていた…悪い夢でも見てたのか?」

私は何も答えられず、顔を俯かせる。

「それよりも裕美さんは・・・」


「・・・やっぱり俺の思った通り…元カレの子だったよ…でも、父さんたちは俺の子だと思っている」

彼はカラダを起こして、着ていたシャツを脱ぎ始める。

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