溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
明日の朝には別れが来る恋人。

そんな私達を月の光が優しく包み込んだ。

二人のシルエットが一つに重なり、彼の激しい律動で私のカラダはのけ反る。

そんな私の胸許に彼は顔を寄せて、高鳴った私の心臓を音を訊いた。

「七海、七海…愛してる」と彼は何度も私の名を呼び、最奥を何度も突き上げて、閉ざさた心にノックを繰り返した。


出来るなら、別れたくない。

彼の叫びに何度も心が折れそうになった。

私は嬌声を上げながら、涙で頬を濡らした。

夜の闇が次第にオレンジ色に染められていき、窓の向こうは明るい陽の光で満ちていた。

眠る彼を起こすまいと音を立てずにベットから出た。

散らばった下着とスーツを集めて彼との情欲で溺れたカラダを包んだ。

彼に言われた通り、予備のカードキーをそっとサイドテーブルに置き、部屋を出た。


それが彼と肌を交わした最後の夜だった・・・


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