溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
若い時に遥さんは白血病を患い、その抗がん剤治療で妊娠が出来なくなったと言っていた。

遥さんが妊娠できないカラダだと知った上で、奏弥さんは結婚した。

二人で生きていくと決めているらしい。

「奏多君・・・初めてにしては上手いね…」

二人でサッカーを楽しんでいた。
私はレジャーシートに腰を下ろし、二人の姿を見つめた。

「東亜の槇村先生ですか??」

「えっ?」

小さな赤ちゃんを連れた三人家族が奏弥さんに声を掛けて来た。

「あ…貴方は小森さん」

私はシートから立ち上がって、奏弥さん達に寄り添う。

「あ…半年前に出産した小森さんだよ…」

「へぇー…」

「大きくなったね…俺のコト憶えてるかな?」

奏弥さんはカラダを屈めて、ベビーカーにちょこんと座る赤ちゃんに話し掛けた。

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