溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
「申し訳ありません…社長」

急に掛かって来た村上からの電話に出て、エレベーターホールで通話をしていた常盤が俺の元に来た。

「別にいいよ…」

「あ・・・そう言えば…さっき槇村先生とすれ違いましたが…何かお話されましたか?」

「まぁな…でも、もっと話をしたかったが…奏弥の方が先に…」

「槇村先生はお忙しい方ですから…それでも…僕の妻を気にかけて下さり、本当に感謝しています」
俺達は共に高校時代共にサッカーで汗を流した。
チームの司令塔を担うMFの奏弥の活躍でFWの俺達は随分と救われた。

常盤がドアをノックした。

「僕です。杏花、入ってもいいですか?」

「どうぞ…」

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