溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
俺と常盤が病室に入った。
病室とは思えないホテルライクな雰囲気。

三つ子を身ごもった杏花さんがベットに横たわったまま、俺達を出迎えた。
多胎のリスクとしてはある程度の週数になると赤ちゃん三人の重さで下りて来るコトがあり、子宮口がその三人分の重みで開き、早産の危険性が高いと常盤から訊かされた。
その為に、先月、入院して子宮口を縛る手術を受けたばかりの杏花さん。

再び入院となり、常盤は心配していた。
「大丈夫ですか?杏花」
「大丈夫ですよ…そんな深刻な顔をしないでください。玲人さん」

「しかし…」

互いを思い合い、言葉を選んで話をしていた。

「まぁ、後で奏弥を訊ねて…訊けばいいと思うぞ。常盤」

「そうですね…担当医に訊くのが一番ですね…」

「社長もお見舞いありがとう御座います」

「いや・・・俺は何の力にもなれないけど…担当医の槇村は俺の高校時代の後輩だ。彼の腕はいいらしいから…彼を信じてくれ。杏花さん」

「社長と槇村先生は同じ高校だったんですか…へぇー…」

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