溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
俺達は早急に見舞いを済ませ、産婦人科医局に向かう。

「多分出産まで杏花は入院ですね…」

「仕事はセーブしていいぞ…常盤、俺にはもう一人秘書が居るんだ…村上と何とかする。お前は奥さんに付き添ってやれ」

キレイな奥さんを日本に置いて、ドバイに来た常盤。
愛人の息子であるが故に、奥さんとの新婚生活を楽しめなかった。

ようやく、日本で二人の遅咲きの新婚生活が始まったばかりの矢先の妊娠。

「三年分の時間を取り戻せよ。二人でいられる時間は僅かだろ?子供が一気に三人になるんだ。奥さんを独占できるのは今しかないぞ。常盤」

「社長…」

医局の奥で若い女医と話をする奏弥の姿が見えた。

「奥さんと一緒ですね…」

「奥さん??」

「槇村先生の奥さんは新生児科の医者なんですよ…」

「えっ!?」

じゃ俺が見たのは・・・

「だって、この間子供と・・・」

「知り合いの子だと思いますよ…」

「知り合いの子??」

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