陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
月原の願い
○
月原先生が来て一週間。
球技大会まであと四日。
狭まっていく期間にどうしたって緊張感が増してくる。
でも焦っても仕方なく、やるべきことは変わらなかった。
朝になると椎菜ちゃんがどんな調子か進捗状況の確認に来たり、花穂が月原先生のことを熱く語ったり。
そんな日中を過ごし、放課後はジャージに着替えて陽呂くんと練習だ。
明日は卓球台が使えないから、今日はみっちり練習しないと。
そうして意気込んだ放課後にまさかあんなことが起こるなんて思いもしなかった。
***
「陽呂くん、もう力加減のコントロールはバッチリだね!」
早い上達にあたしまで嬉しくなった。
それでもコントロールするのは集中力がいるのか、ある程度動くと陽呂くんの額には汗がにじむ。
長い前髪が顔に張り付いて邪魔そうだ。
「大丈夫? 邪魔そうだけど……前髪は切りたくないんだよね?」
タオルを差し出しながら確認のように聞いてみると、声もなくコクリと頷かれた。
それくらい疲れてしまってるのかな?
でも何にせよコントロールの方はもう大丈夫だろう。
そうなると今度は強い相手との試合で練習したいところだけれど……。
月原先生が来て一週間。
球技大会まであと四日。
狭まっていく期間にどうしたって緊張感が増してくる。
でも焦っても仕方なく、やるべきことは変わらなかった。
朝になると椎菜ちゃんがどんな調子か進捗状況の確認に来たり、花穂が月原先生のことを熱く語ったり。
そんな日中を過ごし、放課後はジャージに着替えて陽呂くんと練習だ。
明日は卓球台が使えないから、今日はみっちり練習しないと。
そうして意気込んだ放課後にまさかあんなことが起こるなんて思いもしなかった。
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「陽呂くん、もう力加減のコントロールはバッチリだね!」
早い上達にあたしまで嬉しくなった。
それでもコントロールするのは集中力がいるのか、ある程度動くと陽呂くんの額には汗がにじむ。
長い前髪が顔に張り付いて邪魔そうだ。
「大丈夫? 邪魔そうだけど……前髪は切りたくないんだよね?」
タオルを差し出しながら確認のように聞いてみると、声もなくコクリと頷かれた。
それくらい疲れてしまってるのかな?
でも何にせよコントロールの方はもう大丈夫だろう。
そうなると今度は強い相手との試合で練習したいところだけれど……。