陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
渡瀬家の月
◯
ボーッとしながら自分の家の前であたしを待っていた陽呂くんを見つけ、小走りで近づく。
「おはよう」
声を掛けると、ゆっくりあたしを見て「ん」とだけ返される。
朝が弱い陽呂くんはいつもこう。
土曜日の朝、一緒のベッドで目覚めるときはここまでじゃないんだけど……。
陽呂くんいわく、土曜日の朝はもう少し寝坊出来るし、あたしといるから起きれるんだそうだ。
だからってここまで違うかなぁ? って疑問はあるけど、本人が言うならそうなんだろう。
そんな平日の朝の陽呂くん。
最初は反応薄いなーって思ってたけど、いつからか何だか可愛く思えて来たんだ。
だから実は『ん』って返されただけでちょっとキュンってなっちやう。
今日も密かに可愛いなーと思って一緒に歩きはじめたんだけど、今日は聞きたいことがあるから浸ってもいられない。
「ねえ陽呂くん。安藤さんなんて言ってた? 月原先生のこと、伝えたんでしょう?」
昨日の帰り、例の陽呂くんを吸血鬼にしたっていう月原 秀弥さんが学校に現れた。
しかも教育実習生としてだっていうから驚きしかない。
陽呂くんたちの話だともっと年齢いってると思ってたし……。
ボーッとしながら自分の家の前であたしを待っていた陽呂くんを見つけ、小走りで近づく。
「おはよう」
声を掛けると、ゆっくりあたしを見て「ん」とだけ返される。
朝が弱い陽呂くんはいつもこう。
土曜日の朝、一緒のベッドで目覚めるときはここまでじゃないんだけど……。
陽呂くんいわく、土曜日の朝はもう少し寝坊出来るし、あたしといるから起きれるんだそうだ。
だからってここまで違うかなぁ? って疑問はあるけど、本人が言うならそうなんだろう。
そんな平日の朝の陽呂くん。
最初は反応薄いなーって思ってたけど、いつからか何だか可愛く思えて来たんだ。
だから実は『ん』って返されただけでちょっとキュンってなっちやう。
今日も密かに可愛いなーと思って一緒に歩きはじめたんだけど、今日は聞きたいことがあるから浸ってもいられない。
「ねえ陽呂くん。安藤さんなんて言ってた? 月原先生のこと、伝えたんでしょう?」
昨日の帰り、例の陽呂くんを吸血鬼にしたっていう月原 秀弥さんが学校に現れた。
しかも教育実習生としてだっていうから驚きしかない。
陽呂くんたちの話だともっと年齢いってると思ってたし……。