榊一族

変化

部屋に戻る途中で長女、夫人、主、えりさん、優樹奈さん、亜樹奈さんの声が聞こえた。

「あなたって子は!本当になんてことを!龍之介が止めなかったら今頃…」

夫人が怒っている。

「よしなさい。桜子、正気に戻ったか。」

「ごめんなさい…」

長女は本当に反省しているようだった。いつもの消え入る声がさらに弱弱しくなっていた。

「あなたわかってるの?!もう少しで…」

「時子、騒ぐなら出ていきなさい。」

主は夫人に厳しく言った。

「あなた…」

「ごめんなさい、お母様、お父様。」

「お姉さま、何かのみたいですかあ?紅茶持ってきたけどお。」

えりさんの甘い声が聞こえた。

「そうだわ、みんな飲んで気分を落ち着けましょう。」

「手伝うよ。」

優樹奈さんが言い、亜樹奈さんが準備するのがわかる。

「しばらく聞いてよ。」

龍之介が静かに言った。

「いいのか?」

「いーの!なにかわかるかもしれねえよ。」

ということで、俺たちはしばらくそこにとどまった。

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