榊一族

墨田明子

「飲めねえよって…行くぞ。」

「はーい!」

龍之介は寝ぼけてるのか酔いがさめてないのかわからない。

そしてチャイムを鳴らした。

しばらくすると人が出てきた。

…外見は長女そっくりだ。

しかし、長女とは違う明るさがあった。

「おはようございます。どちらさまですか?」

長女にそっくりな明子さんは微笑んだ。

「探偵の中谷と申します。美鈴 秀さんのことについてお聞きしたいのですが…」

「…そうですか…」

顔色が変わった。

…やっぱりなんかあるんだな。

「俺榊龍之介!こいつの相棒でーす!」

龍之介の挨拶はまるで高校の初日の自己紹介のようだ。

「はじめまして、墨田明子です。お入りください。」

そして俺たちは入った。

きちんと掃除されていて白い壁がとても落ち着いた。

そして俺たちは居間に案内された。

「少々お待ちください。」

ソファに座ると、明子さんは人数分お茶を持ってきた。

「どのようなお話でしょうか?」

明子さんは向かい側にすわる。

俺は一枚の写真を出した。

「この女性はあなたですね。」

「はい、私です。」

意外にも明子さんはきっぱり答えた。
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