榊一族
「美鈴さんが亡くなったことはご存知ですか?」

「え、ええ…」

「美鈴さんのお仕事部屋からこの写真とノートが見つかったんです。」

俺は昨日発見した写真とノートを見せた。

「それは…わかりました。お話します。」

明子さんは全てを悟ったようだった。

「秀と私は…大学の同級生でした。一年の時授業で一緒になってから意気投合し、私たちはお互いをよく知りあいました。

彼は本当に優秀でしたよ。

一年生でも先生方の目にかなってコンクールにでて優勝したんです。

それに彼は容姿端麗でしたからとても人気ありました。

そして私達は…恋に落ち、付き合うことになったんです。」

その時、龍之介がビックリして叫んだ。

「マジで?!あいつ彼女いたんだ!」

「こら、うるさいぞ。」

俺は龍之介に注意した。

「ごめんごめん、続けてよ。で、どこまでいったの?」

こいつはなんの躊躇いもなく聞いた。興味津々だった。

「お前な…すみません。」

主がいない今、こいつを注意するのは俺の仕事だ。

「あの…私、秀との子供を身ごもったんです…」

明子さんは下を向いて言った。
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