榊一族
「私に…似ていますね、この方。」

明子さんは写真を見て言った。

「まぁね。あんた見てると妹と話してるみてーだからな。」

「あの…もしお時間があれば秀の家にご案内しましょうか?少し気になることがありますので。」

明子さんは俺たちに提案した。

「いーね!行こうよ!」

龍之介は俺を見て言った。

「そうだな。」

俺も行きたいと思っていたので賛成した。

明子さんは素早く身支度をした。

「お車はどういたしましょう?よろしければ家の車庫を使ってくだされば…」

「いいよ、俺運転すっから!あっこちゃんはナビして!」

こいつは…初対面の人に向かって…

「おまえな…」

俺は龍之介に言おうしたが…

「いいんですよ。ウフフ。」

明子さんが笑った。

笑顔はとても美しかった。長女もこんなふうに笑うのだろうか。

そして俺たちは車に乗り込み、美鈴さんの家に向かった。



「なーんかこの道…?」

龍之介は公園を見て止まった。

「どうした?」

「豊、椿だ。」

龍之介は公園のベンチで座っている…椿君を指差す。

「…秀明?」

明子さんは椿君を見て言った。

そうだ、秀明君を見た時、誰かに似ていると思ったんだ。

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