榊一族
彼は家の中を案内してくれました。」

俺たちは二階に上がった。

まず仕事部屋に入った。

「まぁ…この絵…」

壁を見渡す限り、絵だらけだが、明子さんは一枚の絵を見て言った。

明子さんが椅子に座り、隣には秀明君が立っている絵…

この絵の描き方は…『桜の君』のようだった。

「これは秀明と私です。来た時に描いてくれたんです。

『お父さん、僕の絵を描いて!』

秀明は辺りの壁の絵を見てから秀に言いました。

『もちろん、いいよ。』

秀はペンを取り、私も描いてくれたんです。

10分もたたないうちに絵が完成し、色を塗り終えて秀は言いました。

『秀明の字はどう書くの?』

もうお気づきかと思いますが、息子の字は私と秀の名前からつけたんです。

彼はそれを聞くと涙を流して言いました。

『ありがとう、明子…』

『お父さん、僕、お父さんのこと大好きだよ!泣かないで!』

秀明は秀を抱き締めて言いました。

『秀明…お母さんに似て優しいね。』

本当は自分に似てるのに彼は…

そして絵を秀明に渡そうとしました。

『お父さん、ありがとう。それはお父さんが持ってて。』
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