榊一族
俺は手紙を封筒に戻しながら聞いた。
「美鈴さんに頼んだ絵っていうは?」
すると龍之介はさっきから下を向いて眺めていた絵が描かれた便箋を俺に渡して言った。
「俺と、昔の俺の彼女。」
龍之介と、龍之介と笑い合っている女性がいる。ストレートのロングヘアの女性…俺が想像していた龍之介が好きそうな女性とだいぶん違う。
「俺がいつか話したことがあるんだ。
『ねぇ秀、一個さ、頼んでもいい?』
『いいよ。何だい?』
『暇な時でいいからさ、俺の…昔の彼女を描いてほしいなーなんて…』
ちょっと恥ずかしかったけど、秀の絵ってさ、なんかノスタルジックなとこがあるんだよ。だから俺もよく昔のこと思い出しちゃってさ。
『うん、もちろんいいよ。』
秀は快く引き受けてくれた。
んでどんな女の人?ってきいてくるから美人で可愛い子で…って詳しく話してた。
でもそっからそのあとあの部屋荒らしが起きたから結局どうなったかわからず仕舞いだったけど…描いてくれてたんだな、あいつ…」
俺は龍之介に絵を返した。
龍之介の涙が絵にポトッと落ちた。
「よく似てるよ。」
龍之介は涙をふきながら言った。
「美鈴さんに頼んだ絵っていうは?」
すると龍之介はさっきから下を向いて眺めていた絵が描かれた便箋を俺に渡して言った。
「俺と、昔の俺の彼女。」
龍之介と、龍之介と笑い合っている女性がいる。ストレートのロングヘアの女性…俺が想像していた龍之介が好きそうな女性とだいぶん違う。
「俺がいつか話したことがあるんだ。
『ねぇ秀、一個さ、頼んでもいい?』
『いいよ。何だい?』
『暇な時でいいからさ、俺の…昔の彼女を描いてほしいなーなんて…』
ちょっと恥ずかしかったけど、秀の絵ってさ、なんかノスタルジックなとこがあるんだよ。だから俺もよく昔のこと思い出しちゃってさ。
『うん、もちろんいいよ。』
秀は快く引き受けてくれた。
んでどんな女の人?ってきいてくるから美人で可愛い子で…って詳しく話してた。
でもそっからそのあとあの部屋荒らしが起きたから結局どうなったかわからず仕舞いだったけど…描いてくれてたんだな、あいつ…」
俺は龍之介に絵を返した。
龍之介の涙が絵にポトッと落ちた。
「よく似てるよ。」
龍之介は涙をふきながら言った。