榊一族
でも才色兼備ですごい人なんだな。

「あ、おじさん、俺バンドのオーディション受かったんだよ!」
将平君が次男に明るく言った。やはりバンドをやっていたのか。
「おう!よかったな将平!おめでとん!」

しかし、そんな長男一家の中で喜んでないやつが一人いた。

長男だ。

「兄貴、よかったな!息子が有名人になるんだぜ!」

長男は次男のからみにため息をついた。

「はあ、まったく…」

「なんだよ、親父も納得しただろ?!」

「賛成した覚えはない。もう一切こづかいはやらんからな。」

長男はスパッといった。

「ちぇ、わあーってるよ!」

「あなたあ、いいじゃないの。将平にはやりたいことをさせてあげましょう。」

えりさんがまたきれいな笑顔で長男に言った。
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