榊一族
「べ、別に誰も見ていないです。」

椿君はびっくりして二男を見たが、平然を急いで取り繕った。

「そーお?」

次男は納得していなかった。

「お兄様、この子からかわれることに慣れていないんです。やめてください。」

長女が口をはさんだ。へえ、あの人も言うんだな。

「俺に命令すんじゃねえよ。」

龍之介は冷たく言い放った。

その表情はさっきまでの軽さはなく、冷たく凍っていた。

長女は黙った。

「おじさま、お酌をしましょうか?」

亜樹奈さんが言った。
「おう!頼むよアッキーナ!」

次男は亜樹奈の所に行った。

この家はやはりいろいろあるんだな。

まずわかったこと。

時子さんとえりさんは嫁姑の関係で仲が悪い。

亜樹奈さんは次男が好き。

椿君は優樹奈さんが好き。

そして…なにか深く込み入った事情がありそうだ。榊家の人々も調査の必要がありそうだな。
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