榊一族

謎の絵『桜の君』

わしはこの絵が誰を書いたのかわからん。美鈴さんはこの絵を生前、誰にも見せなかったからじゃ。

絵の裏に『桜の君』とあるが…おそらくこれがタイトルだと思うのだが…」

主はここまで話すと絵を裏側にして俺に見せた。

確かにサインと日付、そして『桜の君』と書いてある。

『桜の君』か…

どこかで聞いたことがあるかな。

それにこの女の人…

どこかで見たような気がする。

「そうじゃ、調査に使えると思い、絵を写真におさめたんじゃが…」

主は机のひきだしから『桜の君』の写真を出した。

「ありがとうございます。」

俺は受け取った。