榊一族
「秀、あなたの弟と妹よ。」

彼はびっくりしていましたが私は衝撃的すぎて訳がわかりませんでした。

「初めまして。俊です。」

「綾です。初めまして。」

二人は丁寧に自己紹介しました。

「は、初めまして。秀です。」

彼も自己紹介しましたが、まだ驚いていました。

「秀、先生、本当にごめんなさい。これだけではないんだけれど、これも私と主人が秀と会えなかった理由なんです。」

私はもう気持ちを落ち着かせることに必死でした。

一方、彼はというと、事実を整理し、冷静に下を向いていました。

そうしたら次はまた一人の男性が入ってきました。

「失礼致します。社長、○×様からお電話ですが…」

またもや衝撃の事実です。今の方はお母さんを'社長'と呼びました。

「後からかけなおすと言ってちょうだい。」

お母さんはそう言うと、また申し訳なさそうな顔をしました。

「すみません。本当はこれに一番時間をかけていたんです。私、芸能プロダクションを興して…それが忙しくて…」

私はもう我慢の限界でした。こんな自己中心的な親は見たことがありません。

私は立ち上がりました。
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表紙・目次

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