榊一族
「あなたは彼の気持ちを考えたことあるんですか?!今まで彼がどんな気持ちで生きてきたと思ってるんですか!!」

力任せに怒鳴りました。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

お母さんは泣き出します。

「先生、いいんだ。落ち着いて。」

彼は私を止めました。

私は一応座りましたが怒りで握った拳が震えていました。

「美鈴君が納得するまできちんと話し合ってください。これからのことを。」

私はそう言いました。

そして後日、お母さんの家で弟妹を交えて話し合いをしたらしいんです。

「お母さんに家のこと話したけど…わかってもらえなくて…何かと不便があるからこっちに一緒に住もうって言ったんだ。」

私は彼が可哀想で…でもどうするか聞きました。

「暫くはお母さんの家族と住んでみるよ。妹の綾さんのお子さんと仲良くなったから。」

彼はあの家を引き払うつもりはないと言いました。

そして彼はお母さんの豪邸ですごしました。

とても立派な豪邸でしたよ。私も一度見に行ったんですが。
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