榊一族
新たな謎
「生活には困らんようにわしがきちんと家族に言いつけておいた。また何か不自由があれば遠慮なく言ってくれ。

今日はゆっくり休んでくれ。これから中谷さんの泊まる部屋を案内しよう。」

そういうと主は机の電話を取った。

「中谷さんをお部屋に案内してくれ。」

内線電話をしたらしい。

暫くすると一人の女性…先程の主の長女が現れた。

俺は主に挨拶をして長女についていった。

階段を上り、広い廊下を歩いた。

それにしてもこの屋敷は広い。先程外から見ると四階階以上あった。

まあ、これだけの人数が住むからな…

しかしさっきからこの長女は無言だった。

何か話しかけようと思ったが…

「お部屋に着きました。お手洗いはお部屋の入って左側、お風呂はこの部屋を出てすぐ右にあります。何かありましたら内線電話でお知らせください。」

長女は霧の彼方から聞こえるような声で丁寧に説明した。

しかし近くで見る長女はとても美しい人だった。

この人の顔、どこかで…

「ありがとうございます。」

俺は明日考えようと思い、とりあえず礼を言った。

「ではお休みなさいませ。」

長女は挨拶し、去っていった。

不思議な感じがした。
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