榊一族

「まずこの家のことからじゃが…この家はは改築したんじゃ。わしの父がそれを許してくれたんじゃよ。わしが改築の話を切り出したんじゃが、改築する前はどこもかしこも柱が古くなってきおって危なかったからの。最近の地震対策もせねばならんからと父に提案してみた。

すると父は許してくれた。そしてわしの思う通りに作っていいとまで言ってくれたんじゃ。わしは驚いた。

わしが言うのもなんじゃが父は頑固で厳しかった。こうと決めたら絶対に動かぬ人であった。そして父がこの家の家長じゃったからこれでよいのかと思っておった。

じゃから父の思いが深い場所…つまり父が気にいっておった場所だけはそのままにすることに決めたのじゃ。

じゃから…玄関、居間、一階の書斎、食堂、応接間…そこだけは古い柱だけ取り換えてあとはそのままにした。」

今のをよく考えると玄関、居間、一階の書斎、食堂、応接間は…昨日えりさんが渡してくれた宝の地図のヒントの場所だ！

主は続けた。

「わしはなぜ父が思い通りにしろと言ったのか最初はわからなんだ。

父はいつも厳格でわしにもわしの母にもわしの兄弟にもあらゆる面で厳しかった。勉学でも、運動でもいつも一番にならなければ叱られたもんじゃ。