榊一族
幼き頃からわしは英才教育を受けさせられてのう。幅広い教養を身につけた。そして大学で経営を学び、そして父の会社に就職し、今の社長の地位を譲り受けた。

それまでは父の言うことをきちんと守り、父の望む道を進んだのじゃ。

しかし最近になってわしも父と同じ気持ちになってきた。

わかるようになったのじゃよ。厳しすぎたということがな。

じゃから父はあの時わしに好きなようにせいと言ったのじゃ。」

へえ、頑固親父だと思っていたらなかなかいいところがあるじゃないか。

「だからわしはもう子供にとやかく言うのをやめようと決めた。皆成人したからのう。

…まあ、龍之介は別じゃがな。」

主はは苦笑いした。

「でも子どもが幼いときにはきちんと教育をしたぞ。

父から言われておったからな。

それは優之介が生まれた時のことじゃ。

先代に習い、長男の名前は家長がつける。父はわしの子の名前をつけた。
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